今回は、役者さんのお話。
いかなる経緯でこの配役が決まったのか?今明かそう、ちょっとヤバかったアノ日々?
まずは、宍戸錠さん。
プロットの初期段階からこの中山の爺さんは頑固で偏屈なのですが、もう少し体力的に弱いイメージで描かれていました。なので正直、宍戸錠さんの名前は全く頭に浮かびませんでした。
どうしてもこの中山役には誰もが知っている役者さんが欲しく、随分と小川Pを悩ませてしまいましたが、そんな小川Pから出たのが宍戸錠さんの名前でした。
『監督が熱意を伝えれば、出てくれるかもしれないよ』との事で、早速アポを取って頂き、
後日宍戸さんの事務所へ。
その日、宍戸さんは『おもいっきりTVに出演されていて、その番組を観ながら、
『ああ、今から会うんだ』と緊張しながら家を出ます。
事務所に着くと、まず目に飛び込んで来たのが、1/6サイズの
『エースのジョー』アクションフィギュア。
『ほ、欲しい』と思わず手に取って見ていると事務所の方がお茶ではなく、
『リポビタンD』を出してくれました。 さ、さすが…。
『頂きます』と小川Pと一気に飲み干すと、ご本人がおもいっきりTVに出ていたのと同じ白いスーツでご到着。 なんだこのかっこ良さは!!と見とれてしまいます。
軽く挨拶をした後、今回の映画企画の生い立ちを説明します。
果して、出演してくれるのだろうか?
以前送った準備稿についての感想を聞くと、
『あ、あれさ、長くてさ、途中で寝ちゃったからまだ全部読んでない』
『す、すいませーん、今、書き直中です』
しかし、浜松の皆が待っていると思い、この映画にかける熱い意気込みを語ります。
と、『俺はどんな役でも、カッコよすぎるから』と承諾を頂けたのでありました。
後日、衣装合わせになって、このカッコよすぎると言う事がどういう事なのか痛感致しました。
それは、どんな老人をイメージした服を着ても、モデルの様にキマってしまうのです。
こんな爺さんいねぇーと、心の中で思いつつ何とかしなければと思っていると、
鞄から自分でお持ち頂いたすごいボロボロの服を取り出し、
『この中山だったら、実際こんなボロい服を来てるだろう。こういうのを衣装合わせって言うんだ』と一喝。
そこにいたスタッフ全員が勉強になる一言でした。
しかし、そんな衣装でも十分かっこ良すぎなんだけどなぁと思ってしまうのでしたl。
ちなみに、中山爺さんの衣装のほとんどは宍戸さんの自前であります。
一見奇抜なのですが、見事に絵になじむ絶妙なセンスでした。